2019.09、新婚旅行でノルウェーとフィンランドに行ってきました。10泊11日の日程でしたが、毎日が新鮮であっという間の楽しい旅行でした。
本記事は、旅行の大きな目的の1つであった【アルヴァ・アアルト自邸】についてご紹介します。自然を愛する建築家が過ごした北欧の住まいを写真たっぷりでお届けします。

なかなか旅行に行けないご時世ですが、少しでも行った気分になっていただけたら嬉しいです。
アルヴァ・アアルト(Alvar Aalto)
アルヴァ・アアルトはフィンランドを代表する建築家で、1898年フィンランドのクオルタネ(Kuortane)に生まれ、1976年に亡くなるまでに200を超える建築を設計しました。
建築作品のどれもが、有機的な形状、素材、光が絶妙に調和する名作として知られています。

アアルトは、建築は家具と補完し合うものと考えており、設計した建築に合わせて家具のデザインも数多く手掛けています。
アアルト自邸

1934年、アアルトと妻アイノはヘルシンキのムンキニエミ地区(Munkkiniemi)のリーヒティエ通り(Riihitie)の自然豊かで閑静な住宅地に土地を購入し、自分たちの家を設計し始めました。1936年に完成したこの建物はアアルト夫妻の自邸、兼アトリエとなります。
妻アイノは若くして亡くなり、その後エリッサと結婚しました。アイノ / エリッサともに建築家で、アアルトと一緒に働き、またこの家で生活していました。アアルトは亡くなるまでこの家で暮らし、その後はエリッサ、そして彼の親族が住んでいました。
建造物保護法で守られているこの建物は、現在は、アルヴァ・アアルト財団の所有するミュージアムの1つで、一年を通してガイド付きツアーで見学が可能です。

良きパートナーと一緒に、素晴らしい建築を設計していたのですね。
外観
外装は、レンガの漆喰仕上げと薄く塗装された小割りの板で構成されています。窓の配置から、機能主義の考えを取り入れている事がわかります。
リーヒティエ通りから


自然と調和する住まい
反対の庭側に回ると、リーヒティエ通りからの外観とは対照的であることがわかります。多くの窓が配され、光を積極的に取り入れています。また、ランドスケープとの連続的なデザインも美しいです。

北欧は日本より日照時間が短いです。そのため、採光の工夫が随所に見られます。




ツル性の植物は、夏の日射を和らげます。冬は落葉して、光を窓いっぱい取り入れるんです。

内観
アアルトが理想とした住居とは、人の生活が中心にある建築です。住居にとって真に大切なものは何か。それは、愛するものとつつましく暮らすことができる空間です。そこに、広さを求めた間取りや華美な装飾はありません。
居心地の良いリビング
リビングの内装は、白と温かみのある木のナチュラルカラーで統一されています。ゼブラ柄の「400 アームチェア タンク」やブルーのソファ、木の棚やテーブルなどが配されています。
アアルトは日本建築に関心を持ち、窓のすだれもその影響と言われています。また、リビングとアトリエは引き戸で仕切られています。

引き戸はフィンランドで一般的ではないそうですよ。



旅行で買った椅子を配したダイニング
リビングに隣接して、ダイニングがあります。アアルトの家具とは印象が異なるダイニングチェア、これはヴェネチア旅行で買ったものを愛用していたそうです。




このキッチンを見て、巨匠の自邸だと思う人は少ないですよね。!
2層吹き抜けのアトリエ
リビングに隣接して、2層吹き抜けのアトリエがあります。仕事場とプライベート空間は、使用する素材を変える事で差別化されています。

床材の色味の違いがわかりやすいですね。



アトリエからの逃げ道
アトリエの一画、レンガの階段を数段上がったところに書庫スペースがあります。そのスペースには、少々不自然な位置に扉が計画されており、ハシゴが設置されています。

題目でお分かりかと思いますが、アアルトは苦手な来客からの逃げ道を確保していたそうですよ。



飾らないプライベート空間
2階へ上がると、家族のプライベート空間があります。暖炉を囲むホール / 夫婦の寝室と子供部屋 / ゲストルーム / バスルーム / 屋上テラスがあります。




まとめ
以上、【アルヴァ・アアルト自邸】の体験記でした。住み心地の良い家とは、広い間取りや華美な装飾ではなく、そこで過ごす時間がいかに豊かに感じられるか。住宅の本当に大切なことをあらためて考えさせてくれます。
建築が好きな方、住宅が好きな方、いつか海外旅行ができる日常が戻ったら、是非訪れてみてはいかがでしょうか。一生の思い出になること間違いなしです。

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